サービス残業 ブラック企業 社畜 言い方はいろいろ
今月は25日が日曜日なので毎月の給料は23日に支給される。降格処分となってから初めての給料日である。給与明細の「等級手当」がしっかり減額されていた。。
2ヶ月程前から新規の仕事も加わり、最近は残業の連続。でも残業手当など認められずサービス残業の日々。。勤務時間外に職場に残っているだけでも邪険にされる。やむなく仕事は家でやる。会社は「イヤならいつでも辞めてくれていい」と言わんばかりの仕事の振り方。要するに膨大な量の仕事を残業なしでやっている「フリ」をする。
こんな会社を「ブラック企業」。こんな社員を「社畜」と呼んだりするのだろう。今はそんな心境である。
では、そんな会社ならなぜ辞めないのか?
会社に残りたいと思った私の副業体験
「会社を辞めて起業するような実力はない」とか「家族を支えるため」とか「安定した生活のため」とか理由はいろいろある。膨大なサービス残業や人的ストレスがあったとしても、総合的に考えるとサラリーマンでいた方が気が楽なのだ。。最近はそんな風に考えられるようになった。
それは、ここ2~3年で私がしたある体験が、上記の世間的な超ありふれた考え方を決定付けたのである。
私はかつて、インターネットビジネスに没頭した時期があった。「没頭」と言っても副業のレベルである。今の会社に勤務しながら、平日の夜や休日の時間を使って取り組んでいたのである。ダラダラと10年程やっていたが‥。
10年もやっていると、たまに「おかしなクライアント」に遭遇してしまう場合もある。簡単に言えば理不尽な要求をしてくる人間だ。それまで何度か「少しおかしいな‥」レベルに遭遇したことはあったのだが、1年前に本格的な違法まがいのクライアントに出くわしてしまったことがあった。
その時は、いわゆる「クライドソーシング」でライティングの仕事を受けたのだが、下記のような経緯から1回の仕事だけで継続受注は断った。後日、そのクライアントからは「不満足」の評価を受けた。
・「お金が儲かる極秘セミナーの誘い」という類の文書制作
⇒明らかに悪徳セミナーである
・クライアント指定のチャットで直接私と連絡させる
⇒私(受注者)との連絡内容を秘密裏にする
・業務以外の調べものや関連資料閲覧の指示が「チャット」で来る
⇒秘密裏に契約外の指示をして来る
・やたらに長期契約を求めて来る
悪徳クライアントに関わったストレス
一旦、業務契約をしてしまったので、やむなく一度だけ「記事」を書いたが、以降の仕事は断った。契約上「まずはお試し作業、問題なければ長期契約」という体だったので助かったが、「問題ありあり」「完全な黒に近いグレー」「安い賃金で労働者を使い倒す」という姿勢が見え見えだった。しかも制作する記事の内容は明らかに「悪徳セミナーへの誘い」である。
ちなみに私が「追加受注は無理」という意思を示した直後に「チャット」のすべてが消去されていた。見事な「証拠隠滅工作」である。きっと手慣れた人物なのだろう。
この時は少なからずストレスに襲われた。明らかな「悪徳クライアント」の執拗な長期契約依頼。断ればどんな行動に出てくるか想像もできない。。当時、ゴールデンウィーク前だったが、強引に示して来たGWの作業予定‥「儲かりますよ」を殺し文句にツメツメの作業を提示して来たが‥あんな仕事受けていたら‥と思うと背筋が寒くなる。
意を決して長期契約を断って本当に良かったと思ったのだ。。その間、たった2~3日だったが、そのストレスは計り知れなかった。
変なお客から会社は守ってっくれる
このことは、何もインターネットビジネスだけに起こる事ではない。どんな仕事でも「困ったお客」はいるものである。私が勤務する会社であっても「変なお客」にはよく遭遇する。私自身も電話越しに理不尽に怒鳴られたことも何度かある。。
会社での出来事は背景に会社の存在がある。いざとなれば同僚が、上司が、法律が助けてくれる事だってあるだろう。しかし、副業(独立して起業した場合も同様)の場合はそうは行かない。自分が対応しなければならない。自分でカタを付けなくてはいけない。法律は味方してくれるだろうが、その法律をどのように適用するのか‥これもまずは自分で動かなくては話にもならない。。要するに「守ってくれる人」はいないのだ。。
もちろん「悪徳クライアント」に遭遇するケースなど稀である。しかし、一度遭遇すれば、弱みを握られれば、恨みを買えば‥執拗に付きまとって来るだろう‥こちらが個人で弱い立場であればなお更である。そんなケースは稀であるが、いざ遭遇すればそのストレスは計り知れず、下手をすれば悪徳クライアントに屈してしまう事だってありえる。「屈する」とは命を落とすまで働かされるか「仕事」の名の下に犯罪に加担するようなことである。。
私にはなかった 悪徳クライアントと交わる覚悟
今どんなにサービス残業させられていても、職場に気に入らない人間がいても、会社の中にいる限り上のようなストレスに晒されることはない。どうしようもなければ仕事の量も相談はできる(まぁ‥相当な嫌味は言われるだろうが‥)。
私もある時期「会社がイヤでたまらなくて」独立・開業しようとしたことがあった。そもそも「会社がイヤで‥」は通用しないことも分かっていたが‥あの時本当に実行していたらと思うと‥いまでも背筋が寒くなる‥。独立自体はできるのだろう。がんばれば高収入も夢ではない‥そう‥夢が見れる!ドロドロして閉鎖された会社の中で社畜として生きるより大いなる夢を見られる‥
でも、世の中は良い人間ばかりではない。悪徳クライアントに遭遇した時に、強く、うまく立ち回っていけるのか‥私にはその覚悟がなかった。。そこまでして「独立・開業」したいとは思えなかった。
これが、私が「生涯サラリーマン」を受け入れた理由である。50歳にしてようやく‥。
サービス残業、人的ストレスの日々ではあるが、破産や犯罪まがいのストレスに比べれば「子供の悩みレベル」である。。休日返上でも「仕事が終わる時間」はある。それは仕事やストレスから本当に解放された完全な自由な時間。。そんな時間を得られることを有難いと思うべきなのかもしれない。
生涯サラリーマン。。そんな生き方で私はたぶん後悔しない。